最期の沖縄県庁(轟の壕)

糸満市の立派な市庁舎のある西崎から
喜屋武岬に向かう331号線のすぐ脇に
最期の沖縄県庁と呼ばれた轟の壕はある

いわゆる「ガマ」と言われる洞穴だが
石灰岩層で出来ている南部〜中部にはいたるところに
こういった洞穴があり
戦時中は空襲や砲撃などの避難場所として利用されていた

とくに南部撤退後には避難民が押し寄せて
数々の悲劇が語り伝えられている

そんな壕の中でも最期の県庁として有名なのが
轟の壕(カーブヤーガマ)

1945年6月5日頃に沖縄県知事の島田叡氏と県職員、警察職員は
轟の壕に避難して最期の執務を続けていたが
6月7日深夜に沖縄県庁の解散を宣言
同時に警察部長の荒井退造氏も警察組織の解散を宣言

これは部下に行動の自由を与え生き延びる機会を
与えるための配慮からのこと

荒井氏は官民の苦闘ぶりを本土にどうしても伝えたく
部下が特命を背負って戦地に飛び出して行ったが
その多くは殉職することになる
しかし、その気持ちは大田実少将が電文で伝えてくれた

6月16日早朝に島田氏、荒井氏と数名の職員は
轟の壕を出て陸軍司令部のある摩文仁を目指す

島田氏が出て行った後も避難民や軍人は増え続け
その数は1000人にもなったというが
壕の中で亡くなることもあって段々減っていた

壕を支配していた陸軍兵は
赤ん坊が泣くと敵に見つかると言って殺したりもしたと言う
また投降すれば辱めを受けるという洗脳に囚われ
避難民の投降を認めなかった

ガマの上部に居合わせたのが玉城朝子さんと言う女性
10歳までハワイで暮らしていたバイリンガル
彼女はアメリカ人も鬼では無く
同じ人間だということを説いていった

ガマ上部の避難民と少数の海軍兵も
「どうせ死ぬなら太陽の光を浴びて
 美味しい空気を吸って死にたい」
という雰囲気が醸成されていった

1945年6月21日沖縄戦の組織的戦闘は終了し
アメリカ軍は沖縄占領を宣言した

しかし敗残兵による散発的なゲリラ戦闘は続いており
アメリカ軍としても占領後の犠牲者は
極力出したくないために南部を一刻も早く
完全制圧する必要があった

その為に敗残兵が隠れているであろうガマに対して
馬乗り作戦と呼ばれる火を着けたドラム缶を
ガマに放り込むとかガス弾を使うなど荒っぽい手法で
掃討をしていった

轟のガマが掃討作戦の対象になったのは1945年6月24日
まず掃討作戦の前に米軍日本語将校が日本語で呼びかけるが
玉城朝子さんが最初に投降して
上部の避難民はアメリカ軍が怖くて投降できないこと
下部の避難民は陸軍兵が投降を阻止してることを伝えた

日本語将校は丸腰でガマに入り上部の避難民を懐柔した
投降を躊躇していた海軍兵と警察幹部も
丸腰で来た日本語将校の勇敢さに折れた
ちなみに海軍兵の兵長は
映画ベストキッドのミヤギのモデルとなった宮城嗣吉氏

日本語将校によれば24日中にガマを爆破すると言うが
ガマの下部にはまだたくさんの民衆が残っていた
玉城朝子さんの必死の説得により何とか爆破は翌日になった

翌日の陸軍兵懐柔には宮城嗣吉氏があたった
陸軍兵と交渉するのはさすがに日本語将校にも荷が重い
陸軍兵は頑なに民衆の投降を拒んだが
最期には自らも民衆に変装して投降している

こうして米軍の記録によれば491人の民間人が救出された
(600人と言う記録もある)
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玉城朝子さん宮城嗣吉氏そして米軍日本語将校の
3人が起こした奇跡としか言いようが無い
誰が欠けても奇跡はおきなかったと思う

轟の壕は奇跡から70年以上経った今も
どこか張り詰めた空間だった

空気感が他のどことも違う感じがする

他の戦争遺跡はどこか時間と共に浄化されたような
現代の空気感を感じるのに
轟の壕は1945年にタイムスリップしたような感覚になる
後から付けられたような階段やケーブルによって
どうにか今は平成の世の中だと認識できるレベル

自分の一挙手一投足がたくさんの人に見つめられてるような気がする

ライトを用意すれば自己責任で壕のなかに入れるようだけど
あーりーには無理そうだ
そんなことをすれば完全に1945年にタイムスリップしてしまうだろう

今回はいちいち写真にコメントを付けない
写真でどこまで空気感緊張感が伝わるか解らないけど感じて欲しい

もし行ってみようと思うなら覚悟を持って行くこと
それくらい神聖な霊域だと思った

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